2011年7月27日水曜日

ポップで振り返る知りサイ100巻の軌跡-003

今朝のあさイチ(NHK)で食中毒の話題をとりあげていましたが、ユッケの話もさることながら、時期的に気になる話題でもあります。というわけで、「ポップで振り返る知りサイ100巻の軌跡」第3回は、「知りたいサイエンス!」シリーズきってのロングセラー
へんな毒 すごい毒――こっそり打ち明ける毒学入門





前回、薬の本を紹介しましたが、毒と薬は表裏一体。いやもう特に違いなしなのです、実は。
ちょっと本文の書き出しを抜粋してみましょう。

一般的に「毒」という言葉には危険で良くないものというイメージがあり、その逆に「薬」とは安全で良いものと思われている。あたかも毒と薬というのは対立する別々の存在であるようである。
だが、科学的にみると、毒と薬の間に明確なちがいはない。毒も薬もともに生物活性に影響を与える作用があり、本質的にまったく同じものである。

なんと、びっくり! 毒になったり、薬になったりするのは、ひとえにその量のちがいであると。じゃあ、あのトリカブト(毒草)なんてのも薬になるんですか、先生、と聞きたくもなりますが、塊茎を乾燥したもの(附子)は漢方の世界では、強心や利尿作用を持つ薬として用いられていたそうです。ただし、量をまちがえると、たちまち猛毒になってしまう……そういう意味では、身の回りのあらゆる物質は、酒であれ、砂糖であれ、塩であれ、毒になりうるというわけです。

ふーむ、と感心しながらいよいよ実際の毒のサイエンスへ突入していくわけですが、さまざまな毒の秘密、その由来から作用のメカニズム、事件やエピソード、実に多岐にわたって毒の話が満喫できます。毒をもって毒を制す……とくに意味はありませんが、この夏の読書タイムに『へんな毒 すごい毒』、いかがでしょうか?

2011年7月22日金曜日

ポップで振り返る知りサイ100巻の軌跡-002

梅雨も明け、そろそろ夏本番。とろけそうな頭を本でも読んでしっかり働かせましょう。脳は汗をかかない。(たぶん…)

さて、書店用ポップで振り返る知りサイ100巻の軌跡、第二弾です。
今回は、『薬は体に何をするか ―あの「薬」が効くしくみ




現代人の暮らしにとって薬は欠かせない存在です。病気のときなど、すみやかに健康な状態を取り戻すため、幾度となくお世話になっているかと思います。それとは逆に薬の副作用に苦しんだり、薬に対して漠然とした不安を抱き、必要な薬を使わずに、病気の回復を遅らせたり、症状の悪化を招くといったケースもあるかもしれません。
どちらにしても、それぞれの薬の性質を理解し、使用/不使用を考えているといった方はそう多くはないのかもしれません。

本書では、身近にある代表的な薬を十数種取り上げ、それらがどんな成分からなり、体にどのように作用しているのか、エピソードや副作用などにも触れながら読み物的に解説しています。

そういえば、先に放送されていた人気ドラマ「JIN-仁-」にペニシリン(抗生物質)が登場してきたのを覚えてますでしょうか?(実際のペニシリンの発見は、1928年ごろイギリスのフレミングによる。実用化はそれよりさらに10年以上先) 未来から来た医師、南方仁は、ペニシリンの普及を試みますが、最終的に、未来の医学書に南方仁の名はなく、日本では土着的にペニシリンが使われていたとの記述が残ることに。(ご覧になっていない方には、なんのことやら、かもしれません。すみません)

ところで、本書の「抗生物質」の章を読むと、「徳川家康が、なかなか治らない背中のできものに、〝腫れものに効く土〟をこすりつけたところ、膿が出て治ったとする記録も残っています」とあります。となると、確かに土着的な民間療法としてはペニシリン的なものが、南方仁が降り立った時代に存在していたとしても不自然ではなさそうです。

というわけで、そんな薬をめぐる数々のエピソードやドラマが満載の本書。「JIN-仁-」よりおもしろいかは保証いたしかねますが、薬への理解を深めるためにも、ぜひご一読を。

2011年7月14日木曜日

ポップで振り返る知りサイ100巻の軌跡-001

これからしばらくの間、「知りたい!サイエンス」シリーズ一冊一冊のために、編集部(主に女子)が丹精こめてつくった(わりには気のぬけた)書店用ポップを眺めながら、シリーズ100巻の軌跡をおさらいしてみたいと思います。おつきあいいただければ幸いです。
(ポップのご用命は弊社販売促進部まで)

記念すべき第一回目は、『クラゲのふしぎ ―海を漂う奇妙な生態』です。


こちらのポップをみますと、「ふよーん」(謎)とした本のように思われるかもしれません。が、ポップの片隅にも書いてあるようにGFP(Green Fluorescent Protein)やイクオリンといった光るタンパク質の発見物語など、なかなか硬派な話題も満載で、クラゲの奥深さを堪能できます。また、「クラゲに刺されないために」といった実用的な一面や、「日本のクラゲ・ソング」といった“ふよーん”としたコラムもあり、見逃せません。

このようにクラゲの魅力があふれんばかりにあふれる(?)本書ですが、やはりクラゲの妙味はその拍動にあるのかもしれません。「私は、ゆらゆらと泳ぎながら、正確な拍動を繰り返すクラゲの姿を、今日も見つめています」と監修者の一人、上野氏の言葉にありますが、あのゆらゆら漂う姿に6億年もの歴史をかせねてみると、ふしぎな気分になります。

今年もどこかで大発生して話題をふりまくかもしれないクラゲですが、そのときはぜひ本書を手にとり、少しだけ深くクラゲの世界をのぞいてみてはいかがでしょうか。『海月姫』ファンのあなたもぜひ!

2011年7月12日火曜日

サイエンスを諦めきれない人たち

昨日お知らせしましたイベントの詳細がわかりましたのでお知らせです。
*
『理系なお姉さんは苦手ですか?』発売を記念して、トークイベントを行います。

 お題は「サイエンスを諦めきれない人たち」。著者の内田麻理香さん、数学エッセイストの小島寛之さんを迎え、科学に対する諦めきれない思いを語って頂きます。一風変わった経歴をお持ちのおふたりと共に、夏の夜長を楽しんでみませんか。

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『理系なお姉さんは苦手ですか?』発売記念
内田麻理香先生×小島寛之先生トーク&サイン会
日時:8月20日(土)19:30~(19:00開場)
場所:ジュンク堂書店 池袋本店4階カフェ
定員:40名
入場料:1000円(ワンドリンク付き)
お申し込みは池袋本店1Fサービスカウンターまで(電話:03-5956-6111)。
詳細はジュンク堂書店様のページをご覧ください。

2011年7月11日月曜日

理系なお姉さんは苦手ですか?

祝なでしこジャパン準決勝進出!
体育会系なお姉さんたちもがんばっていますが理系なお姉さんたちもがんばっています。
 「カソウケン」でおなじみの内田麻理香 さん(文)と「理系クン」などで知られる高世えり子さん(画)とのコラボレーションによる『理系なお姉さんは苦手ですか?』が8月12日に発売予定です。発売時にはちょっとしたイベントも予定しております。
近くなりましたら、またお知らせいたします。どうぞよろしくお願いします。

2011年7月8日金曜日

探査機でここまでわかった太陽系

知りたい!サイエンスシリーズ、101巻目となる
『探査機でここまでわかった太陽系 ―惑星探査機とその成果― 』(松井孝典・著)、本日発売です。

これまで世界各国で打ち上げられた惑星探査機にどのようなものがあり、それらによって何がわかってきたのか、詳しく解説しています。探査機について、著者独自の評価もついており、カタログのようにパラパラと眺めても楽しめます。

2011年7月7日木曜日

電磁気学がわかる

ファーストブックシリーズ『電磁気学がわかる』(田原真人・著)、7月7日発売です。

 『電磁気学がわかる』

著者は物理ネット予備校の田原先生。

物理ネット予備校

この機会にぜひ電磁気学という山にチャレンジしてみてください。

「知りたい!サイエンス」100点突破記念ブログ

「知りたい!サイエンス」シリーズ100点突破を記念して、技術評論社理工書編集部(サイエンス分室)からのお知らせブログを開設いたしました。ゆるゆるとですが、新刊案内やイベントのお知らせなどをお届けしていこうかと思います。どうぞよろしくお願いいたします。